Byte Pair Encoding(BPE)は、大規模言語モデルなどで広く使われるサブワード分割アルゴリズムです。頻出する文字のペアを結合していくことで、未知語への対応と語彙サイズの効率化を両立させ、現代のAIの基盤技術となっています。
バイト・ペア・エンコーディングとは
一言でいうと、BPEとはテキストを効率よく単語より小さい断片に分割し、AIが理解しやすい形に変換する圧縮・トークン化手法のことです。
詳しく解説
BPEはもともとデータ圧縮のアルゴリズムとして開発されましたが、現在では自然言語処理の分野でトークナイザの標準手法として広く採用されています。処理の流れとしては、まずテキストを最小単位(文字やバイト単位)に分割し、コーパス内で最も頻繁に出現する文字のペアを新しい一つのシンボルとして語彙に追加・置換していく作業を繰り返します。このプロセスにより、頻出する単語はそのままの形で、まれな単語や未知語は意味のあるサブワードの組み合わせとして表現できるようになります。大規模言語モデルにおいて、語彙数を適切に抑えつつあらゆるテキストを処理するために不可欠な技術です。
具体例・使われ方
例えば、「low」「lower」「new」「newer」という単語が含まれるテキストがある場合、「e」と「r」のペアが頻出するため、これらを結合して「er」というサブワードを作ります。これを繰り返すことで、モデルは限られた語彙数でありながら効率よく多様な単語を処理できるようになります。GPTシリーズなどの最新の大規模言語モデルでも、テキストをモデルに入力する前の前処理としてBPEやその派生アルゴリズムが使われています。
似た用語との違い
従来の単語ベースの分割では、語彙集に含まれない未知語(OOV)を処理できないという問題がありましたが、BPEは文字単位にまで分解できるため未知語問題が発生しません。また、単なる文字単位の分割に比べて、頻出する語の断片を一つの単位にまとめられるため、大規模言語モデルにおけるコンテキスト長の効率的な活用において文字単位モデルよりも優れています。
注意点
BPEは非常に強力な手法ですが、言語によって分割の効率や最適な語彙サイズが大きく異なるという注意点があります。例えば、アルファベットを使う英語と、漢字やひらがなを含む日本語では、同じ語彙数でもトークンの効率が変わるため、多言語対応モデルでは言語ごとの特性を考慮したチューニングが必要となります。