GNSS(全地球航法衛星システム)とは、宇宙空間にある人工衛星からの信号を受信して地球上の現在位置を正確に測定する技術の総称です。アメリカのGPSや日本の「みちびき」などが含まれます。AI分野では自動運転車両やドローンの自律飛行、エッジAIを活用した高精度な位置推定とセンサフュージョンにおいて不可欠な基盤技術となっています。
GNSSとは
GNSSとは、複数の人工衛星から送信される電波を利用して、地球上の任意の場所における現在位置や時刻を計測する全地球航法衛星システムの総称です。
詳しく解説
GNSSは、高度約20,000kmの軌道を周回する複数の衛星から発信される時刻情報と軌道データを受信機で捉え、距離を計算することで緯度・経度・高度を割り出します。代表例として米国のGPS、欧州のGalileo、ロシアのGLONASS、中国のBeiDou、日本の準天頂衛星システム「みちびき」が挙げられます。AI技術の発展に伴い、自動運転やロボットの自律移動において、カメラやLiDARによる空間認識データとGNSS位置情報を組み合わせるセンサフュージョンが重要視されています。さらに、信号の遮蔽やマルチパス(反射波)による誤差をエッジAIでリアルタイムに補正・予測する技術の開発も進んでいます。
具体例・使われ方
具体例として、自動運転車が自車の絶対位置を把握する用途や、農作業用ドローンの自律飛行経路制御があります。また、スマートフォンの地図アプリでのナビゲーションや、物流での配送ルート最適化システム、都市構造をデジタル上で再現するデジタルツインの構築など、幅広い位置情報サービスで活用されています。
似た用語との違い
GNSSとGPSはよく混同されますが、GPSはアメリカ合衆国が運用する個別の衛星測位システムの名前であり、GNSSはそのGPSや他国の測位システムも含めた全体を指す包括的な総称です。また、Wi-Fiや基地局を用いた位置測位とは異なり、宇宙空間の衛星を利用するため地球上の広範囲で利用できる点も特徴です。
注意点
GNSSは高層ビル街やトンネル内、地下、屋内などでは衛星からの電波が遮られるため、測位精度が著しく低下したり受信不可能になったりします。そのため、安全性が求められる自動運転などでは、GNSSだけに頼らず、カメラやセンサ、高精度3D地図などを用いた補完が不可欠です。また、太陽フレアなどによる電離層の乱れによる誤差にも注意が必要です。