データ前処理機械学習

中央値補完

ちゅうおうちほかん · Median Imputation
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中央値補完は、データセット内の欠損値を、その特徴量の中央値で置き換えるデータ前処理の手法です。外れ値の影響を受けにくく、数値データの欠損をシンプルに処理できるため、機械学習モデルの構築前に広く利用されています。正規分布に従わない偏りのあるデータに対して特に有効なアプローチです。

中央値補完とは

中央値補完とは、データセットに存在する欠損値(データが入力されていない空の部分)を、その変数の有効なデータ全体から算出した「中央値(データを大きさ順に並べたときに中央にくる値)」で一律に置き換える、データ前処理の手法です。

詳しく解説

機械学習モデルを構築する際、入力データに欠損値が含まれていると、モデルの学習が行えなかったり、予測精度が低下したりする問題が発生します。そのため、事前に欠損値を何らかの数値で埋める処理が必要となります。中央値補完は、その中でも計算負荷が低く直感的な統計的補完方法の一つです。データの分布が左右非対称で、極端に大きい、または小さい「外れ値」が含まれている場合、平均値はこれらに大きく引きずられてしまいますが、中央値は外れ値の影響を受けにくい頑健(ロバスト)な代表値です。そのため、歪んだ分布を持つ実世界のデータに対して、安全かつ容易に適用できるデータ前処理として重宝されています。

具体例・使われ方

例えば、ある企業の社員の「年収」データにおいて、全体の10%に欠損値があるとします。このデータに一部の極端に高い役員報酬(外れ値)が含まれている場合、全体の平均値は一般社員の実態よりも大幅に高くなってしまいます。ここで中央値補完を用いると、データを順番に並べた真ん中の値である中央値が適用されるため、極端な高額所得者の影響を排除し、より実態に近い数値を補完することができます。

似た用語との違い

類似する手法に「平均値補完」があります。平均値補完は、欠損値をデータ全体の平均値で埋める手法ですが、データセットに極端な外れ値が含まれていると、補完する値がその影響を受けて不適切になるデメリットがあります。これに対し、中央値補完は外れ値に対して非常に強いという違いがあります。また、より高度な「KNN補完」などの予測モデルを用いた補完方法と比較すると、中央値補完は単一の統計量で一律に置き換えるため、変数間の相関関係を無視してしまい、データの分散を過小評価しやすいという違いがあります。

注意点

中央値補完の注意点として、欠損値をすべて同一の固定値(中央値)で置き換えるため、データのばらつき(分散)が本来よりも小さくなってしまう現象が挙げられます。これにより、変数間の相関関係が歪み、機械学習モデルの予測性能に悪影響を及ぼすことがあります。また、欠損がランダムではなく特定の意図(例えば、高所得者ほど年収を無回答にするなど)を持って発生している場合、この補完を行うことでデータに偏り(バイアス)が生じる可能性があります。

更新日時: 2026年9月3日 18:11