リード・ソロモン符号は、デジタルデータ通信やストレージにおいてデータの破損や欠損を検出・修復するために用いられる強力な誤り訂正符号の仕組みです。AIの学習データ伝送や量子コンピュータなどの先端技術領域でも、情報の信頼性を高めるために応用されています。
リード・ソロモン符号とは
一言でいうと「データを一定の規則に従って冗長化し、途中で一部が壊れても完全に元の状態へ復元できる数学的な誤り訂正技術」です。
詳しく解説
1960年にアーヴィング・リードとグスタフ・ソロモンによって考案された代数符号の一種です。元のデータシンボルに対してパリティシンボルと呼ばれる冗長なデータを付加することで、複数箇所のバーストエラー(連続したデータの破損)にも耐えることができます。AI開発における膨大なデータセットの分散転送や、AIモデルを保存するストレージの信頼性向上、さらにはディープラーニングのハードウェアアクセラレータにおけるメモリのビット反転対策など、高信頼性が求められるシステムで広く利用されています。
具体例・使われ方
AI分野においては、数テラバイト規模の巨大なディープラーニング学習用コーパスを複数サーバー間で分散・並列転送する際のパケットロス対策や、生成AIの推論サーバーを支えるSSDなどのストレージデバイス内部でのデータ破損修復などに活用されています。
似た用語との違い
一般的なパリティビットやハミング符号が主に単一ビットの誤り検出・訂正を得意とするのに対し、リード・ソロモン符号は複数のビットをまとめた「シンボル単位」で誤りを処理するため、連続してデータが破損するバーストエラーに対して非常に高い修復能力を発揮します。
注意点
データを冗長化するため、元のデータサイズに比べてストレージ容量や通信帯域のオーバーヘッド(追加コスト)が発生する点に注意が必要です。また、訂正能力の限界を超えた破損が発生した場合は復元が不可能になります。