感度(再現率)とは、評価対象のデータのうち「真に陽性(正)であるもの」に対して、モデルが正しく「陽性」と予測できた割合を示す指標です。医療診断や異常検知など、判定の「見落とし」を最小限に抑えたい場面において、モデルの性能を評価する重要な基準として広く用いられています。
感度とは
感度(Sensitivity)とは、二値分類モデルの性能を評価する指標の一つであり、実際に「陽性(正)」であるデータ全体のうち、モデルが正しく「陽性」と予測できた割合のことです。一般に「再現率」とも呼ばれ、見落としの少なさを表す尺度として用いられます。
詳しく解説
機械学習や統計学において、予測モデルの精度を評価するために混同行列が用いられます。その中で、感度は「真陽性(True Positive: TP)」の数を、「真陽性(TP)」と「偽陰性(False Negative: FN)」の合計、すなわち実際の陽性データの総数で割ることで算出されます。数式では「TP / (TP + FN)」と表されます。偽陰性(陽性なのに誤って陰性と判定すること、つまり見落とし)が増えるほど感度は低下するため、感度を高めることは見落としを極限まで減らすことと同義になります。予測の網羅性を重視するタスクにおいて最重要視される指標です。
具体例・使われ方
医療における疾患診断AIを例に挙げると、がん検診において「実際にがんを患っている患者(陽性)」を漏れなく発見することが極めて重要です。このとき、感度が高いAIモデルを使用すれば、病気の見落としを最小限に防ぐことができます。また、工場の製造ラインにおける異常検知システムにおいても、不良品を良品と誤判定して出荷することを防ぐために、感度の高い予測モデルが設計されます。
似た用語との違い
混同されやすい指標として「特異度」や「適合率」があります。特異度は「実際に陰性であるもの」を正しく陰性と予測できた割合を示します。一方、適合率は「陽性と予測したもののうち、実際に陽性だった割合」を指します。一般に、感度を上げようと(見落としを減らそうと)判定基準を緩めると、実際には陰性のものまで陽性と予測しやすくなるため、適合率が低下するというトレードオフの関係があります。
注意点
感度だけを極端に高めようとする場合、モデルがすべてのデータを「陽性」と予測すれば、見落としがゼロになるため感度は100%を達成できます。しかしこれでは、健常者まで全員が「要精密検査」と判定されてしまい、実用的なモデルとは言えません。そのため、感度のみに偏るのではなく、特異度や適合率、あるいはそれらの調和平均であるF値などの多角的な指標を合わせて評価することが不可欠です。