焼きなまし法とは、金属の焼きなまし処理にヒントを得た確率的探索アルゴリズムです。探索の初期段階ではあえて改悪方向への遷移を確率的に許容することで、局所最適解から抜け出し、広大な探索空間の中からより良い大域的最適解を発見しやすくします。
焼きなまし法とは
焼きなまし法は、広大で複雑な選択肢の中から最も適した解を見つけ出すための確率的最適化手法です。
詳しく解説
高温の金属を徐々に冷やすことで結晶構造を安定させる冶金学の「焼きなまし」を模したメタヒューリスティクスの一種です。最適化問題において、常に改善方向のみに進むと途中の谷底である局所最適解に囚われてしまいます。焼きなまし法では「温度」というパラメータを導入し、温度が高い探索初期は評価が下がる悪化方向への移動を高い確率で受け入れ、広範囲を探索します。探索が進み温度が下がるにつれて悪化の受容確率を減らし、最終的には最も良い状態へ収束させて大域的最適解の発見を目指します。
具体例・使われ方
巡回セールスマン問題をはじめとする組合せ最適化問題の解決や、集積回路(LSI)の配線レイアウト設計、AIモデルのハイパーパラメータ探索、配送ルートの自動最適化などに広く活用されています。
似た用語との違い
最も代表的な比較対象は山登り法です。山登り法は常にスコアが改善する方向へしか進まないため局所最適解に陥りやすいのに対し、焼きなまし法は確率的にスコアが悪化する方向へも移動できるため、局所的な罠を脱出できる点が異なります。
注意点
必ず真の最適解が得られる保証はなく、近似解を見つける手法である点に注意が必要です。また、温度をどのように下げていくかという冷却スケジュールの設計や初期温度の設定によって探索の性能や計算時間が大きく左右されます。
この解説は役に立ちましたか?誤りが含まれる場合はご報告いただけますと幸いです。
更新日時: 2026年9月12日 16:11