視差マップとは、ステレオカメラで撮影した左右の画像間における、同じ被写体の位置のずれ(視差)を画素ごとに算出して可視化画像にしたものです。自動運転やロボットの障害物検知、空間認識における距離測定などに広く活用されています。
視差マップとは
一言でいうと、視差マップとは、左右のカメラの映像の「ずれ」を計算することで、物体までの距離や立体的な奥行きを視覚的に表した画像データのことです。
詳しく解説
視差マップは、人間の両目がそれぞれ異なる角度から景色を見ることで立体感を把握する仕組み(両眼視差)を、デジタルカメラとコンピュータで模倣した技術です。ステレオマッチングと呼ばれるアルゴリズムを用いて、左右の画像から対応する点を見つけ出し、その移動量をピクセル単位で算出します。近年では深層学習を活用した高精度な推定手法が発展しており、従来の手法では難しかったテクスチャの少ない領域や複雑な環境でも、精度の高い奥行き情報をリアルタイムに取得できるようになっています。
具体例・使われ方
自動運転車や配送ロボットが前方の歩行者や障害物までの距離を正確に測定するために使用されます。また、スマートフォンに搭載されたポートレートモードでの背景ぼかし処理や、AR(拡張現実)アプリケーションにおける現実空間の立体把握、産業用ロボットが部品を正確につかむための3次元測定などにも応用されています。
似た用語との違い
デプスマップ(深度マップ)と混同されやすいですが、視差マップが画像間の「画素のずれ量」を直接表すのに対し、デプスマップはカメラからの「実際の距離や深度(メートルなど)」を表すという違いがあります。視差マップはカメラの特性やベースライン長に応じた計算を経て、最終的にデプスマップへ変換されることが一般的です。
注意点
表面の模様が乏しい白い壁や、ガラス、鏡などの反射面では、左右の画像で対応点を正しく見つけるステレオマッチングが困難になり、視差マップの精度が著しく低下する点に注意が必要です。また、カメラの解像度や視差計算の負荷が高いため、エッジデバイスでリアルタイム処理を行う際には処理性能と精度のトレードオフが生じます。