AI基本概念アルゴリズム

有限ステートマシン

ゆうげんすてーとましん · Finite State Machine
21 views

有限ステートマシン(FSM)とは、有限個の「状態」とそれらの間を移り変わる「遷移条件」によってシステムの挙動を定義するモデルです。AI分野では、ゲームAIやエージェントの基本行動制御、ルールベースAIの構築などに広く利用されています。構造がシンプルで予測可能性が高く、複雑な制御プログラムを整理して設計・実装するのに適しています。

有限ステートマシンとは

有限ステートマシンとは、あらかじめ決められた有限個の「状態」を保持し、外部からの入力や特定の条件に応じて状態を切り替えながら動作する論理的モデルです。

詳しく解説

有限ステートマシンは、現在の「状態」、入力となる「イベント」、次の状態へ移る「遷移規則」、そして実行される「アクション」で構成されます。AIやロボティクスにおいて、複雑な意思決定ロジックを整然と記述するための基盤として重要視されてきました。制御対象の行動ロジックを直感的に視覚化できる状態遷移図を用いて設計できるため、デバッグや検証が容易である点が特徴です。近年では、強化学習における環境モデルやマルコフ決定過程の基礎概念としても関連しています。

具体例・使われ方

ゲームAIにおける敵キャラクターの行動制御が代表例です。敵が「巡回」「追跡」「攻撃」という状態を持ち、プレイヤーを発見したイベントで「巡回」から「追跡」へ遷移します。また、対話エージェントの会話フロー管理やロボットの動作制御にも使われます。

似た用語との違い

強化学習などの手法がデータから最適行動を自律的に学習するのに対し、有限ステートマシンは人間があらかじめ全ての状態と遷移ルールを明示的に記述するルールベースAIの考え方に基づきます。また、確率的な遷移を扱うマルコフ決定過程と異なり、伝統的な有限ステートマシンは条件に応じた決定論的な遷移を基本とします。

注意点

状態や条件の数が増えると、遷移ルールが指数関数的に増大して維持が困難になる「状態の爆発」と呼ばれる限界があります。また、定義されていない未知の入力に柔軟に対応することは難しいため、高度に複雑な環境では階層型モデルや機械学習との併用が必要です。

更新日時: 2026年9月11日 04:51