フラッシュ・クラッシュとは、コンピュータの自動売買プログラムが連鎖的に売り注文を執行したことで、金融市場において極めて短時間に株価が暴落し、その後急速に回復する現象です。AIやアルゴリズム取引の普及に伴い、予測困難な市場リスクとして警戒されています。
フラッシュ・クラッシュとは
一言でいうと、AIやアルゴリズムを用いた高速自動売買の連鎖により、ほんの数分から数秒という極めて短い時間で市場価格が急落・急騰する現象のことです。
詳しく解説
フラッシュ・クラッシュは、人間の判断を介さずに行われるアルゴリズム取引や高頻度取引(HFT)が引き金となります。市場の急変動を検知したシステムが自動的に売り注文を出し、それがさらなる売り注文を誘発することで、需給バランスが完全に崩壊して瞬時に価格が急落します。その後、価格の割安感から買い戻しが入り、短時間で元の水準近くまで戻ることが特徴です。現代の金融市場におけるAIの導入が進む中で、予期せぬシステム間の相互作用がもたらす重大なリスクとして認識されています。
具体例・使われ方
2010年5月6日に米国のニューヨーク証券取引所で発生した事例が代表的で、ダウ平均株価がわずか数分間で約1,000ドル急落し、すぐに回復しました。また、外国為替市場や暗号資産市場などのAIや自動売買プログラムが深く関与する市場でも同様の現象が頻発しています。
似た用語との違い
数日や数ヶ月にかけてじわじわと下落する通常の株価大暴落や弱気相場とは異なり、原因不明のまま極短時間で起きて急速に回復する点が明確な違いです。また、特定の企業の不祥事などファンダメンタルズの悪化によって起こる下落とも異なります。
注意点
人間の意図しないアルゴリズムの暴走や、不完全なデータによる自動売買の誤作動を防ぐことは容易ではありません。サーキットブレーカー制度などの取引一時停止措置が導入されていますが、AIの複雑化に伴い完全な防止は困難であり、投資家にとっては予期せぬ損失を被る最大級のリスクとなります。