2.5D-ICとは、複数の半導体チップをシリコンインターポーザと呼ばれる中継基板の上に水平配置し、高密度かつ高速に相互接続するパッケージング技術です。大規模な生成AIモデルの処理に必要なGPUと高帯域幅メモリ(HBM)を近接配置できるため、データ転送の遅延削減と消費電力の低減を実現し、現代のAIプロセッサで広く採用されています。
2.5D-ICとは
2.5D-ICは、中継基板(シリコンインターポーザ)を用いて複数の半導体ダイを隣り合わせに高密度配置し、配線長を短縮して超高速データ通信を可能にする半導体パッケージング技術です。
詳しく解説
従来の2D実装では個別のパッケージをプリント基板上で配線していたため、チップ間の物理的距離が長くなり配線密度や伝送速度に限界がありました。2.5D-ICでは微細な回路を形成したシリコンインターポーザを間に挟むことで極めて高密度な配線を実現します。これによりGPUなどの演算チップとHBMをミリ単位の近距離で接続できるようになります。大規模なパラメータを持つ生成AIの計算ではメモリ帯域幅がボトルネックとなりやすいため、配線の広帯域化と低消費電力化を同時に達成する2.5D-ICは最先端のAIアクセラレータの開発において極めて重要な要素技術となっています。
具体例・使われ方
最先端のAIデータセンターで運用されている高性能プロセッサなどで利用されています。例えば、巨大な生成AIの学習や推論を行うためのAIアクセラレータにおいて、中心となるGPUの周囲に複数のHBMを配置し、2.5D-IC技術を用いて統合することで毎秒数テラバイトに達する超高速なデータ転送を実現しています。
似た用語との違い
平面上にチップを配置する従来の2D実装と比較すると、2.5D-ICはシリコンインターポーザを利用するため配線密度が大幅に向上します。また、チップを真上に垂直に重ね合わせる3D-ICとの違いは、ダイ同士を直接上下積層するのではなく中継基板の上に水平配置する点にあります。3D-ICはさらなる小型化が可能ですが放熱課題が大きく、2.5D-ICは放熱性と高密度配線のバランスに優れています。
注意点
2.5D-ICはシリコンインターポーザの製造コストが高く、パッケージング工程の複雑化により製造歩留まりの影響を受けやすいという課題があります。また、チップ同士の物理距離が近いため熱密度が高くなりやすく、高精度な冷却設計が不可欠です。全ての半導体に汎用的に用いられるわけではなく、主に高価格帯の高性能AIプロセッサを中心に導入が進んでいます。