ダイレクトティーチングとは、人間が産業用ロボットや協働ロボットのアームを直接手で動かして動作や軌道を教え込む直感的な教示手法です。プログラミング言語の知識がなくても短時間で直感的な教示が可能なため、多品種少量生産の現場などで導入が進んでいます。
ダイレクトティーチングとは
ダイレクトティーチングとは、作業者がロボットのアームを直接手で持って動かし、その軌道や動作を記憶させる教示方法のことです。
詳しく解説
従来の産業用ロボットでは、ティーチペンダントと呼ばれる専用端末を用いて各軸を段階的に操作し、プログラムを作成する手法(オンラインティーチング)が主流でした。しかし、この方法は専門的なスキルと多大な時間が必要です。ダイレクトティーチングでは、機能を持った協働ロボットなどの関節に力センサやトルクセンサを組み込み、作業者が加えた力を検知して滑らかに手動操作を実現します。作業者がロボットを直接動かすだけで、位置データや軌道がリアルタイムに記憶されるため、プログラミングの手間が劇的に削減されます。これにより、ラインの変更が頻繁に発生する現場でのロボット導入が容易になりました。
具体例・使われ方
例えば、自動車部品のバリ取りや研磨作業において、熟練工が手作業で行う複雑なアームのカーブや押し付け加減をそのままロボットにダイレクトティーチングで学習させることができます。また、箱詰めや移載作業において、作業者がアームを持ち上げてターゲットの位置まで移動させるだけで直感的に配置ポイントを登録できます。
似た用語との違い
従来のティーチペンダントを用いたオンラインティーチングと異なり、画面上の数値入力やコード記述を必要としません。また、PC上で3Dモデルを用いて動作を作成するオフラインティーチングと比べ、実機と現場の状況を直接見ながら感覚的に動作を教示できる点が大きく異なります。
注意点
作業者が手でアームを直接動かすため、高速・高出力な従来の産業用ロボットでは安全上のリスクがあり、主に安全対策が施された協働ロボットで利用されます。また、人間の手ブレや不正確な軌道もそのまま記憶してしまうため、ミリ単位の超高精度な位置決めが求められる作業には適さない場合があります。