ユークリッド空間とは、私たちが日常的に認識する2次元の平面や3次元の立体を、任意の位置や距離の概念をもつ高次元へ一般化した数学的な空間のことです。機械学習では、データを多次元のベクトル空間として表現する際の基本的な枠組みとして利用され、データ間の直線距離(ユークリッド距離)に基づいて類似度の計算や分類が行われます。
ユークリッド空間とは
ユークリッド空間とは、直交する座標軸を持ち、ピタゴラスの定理に基づいて2点間の距離を測定できる幾何学的な空間のことです。
詳しく解説
ユークリッド空間は、古代ギリシャの数学者ユークリッドの幾何学に由来し、直線や角度、距離が定義された直観的な空間です。AIや機械学習の分野では、画像やテキスト、音声などの多様なデータを数値の組であるベクトルに変換して扱います。これらのベクトルが配置される空間としてユークリッド空間が用いられます。特徴量空間において、データの類似性を評価する基準としてユークリッド距離が標準的に使われており、k近傍法やクラスタリングなどのアルゴリズムの基盤となっています。
具体例・使われ方
例えば、2次元平面上の2点間の距離を求める場合や、3次元空間の物理的な物体の配置が該当します。AIの活用例としては、顧客の年齢や購入額などの特徴量を多次元の点としてユークリッド空間上に配置し、似た購買傾向を持つ顧客同士をグループ分けするクラスタリングなどの場面が挙げられます。
似た用語との違い
ユークリッド空間と曲がりくねった曲面を扱う非ユークリッド空間の違いは、空間自体の平坦さにあります。また、データ分析においてユークリッド空間上の2点間の距離を測る際、直線距離ではなく格子状の移動距離を測るマンハッタン距離や、ベクトルのなす角度を重視するコサイン類似度など、目的に応じた異なる尺度が使い分けられます。
注意点
ユークリッド空間は直観的で扱いやすい反面、データの次元数が大幅に増えると「高次元の呪い」と呼ばれる現象が発生します。高次元空間ではデータ同士のユークリッド距離の差が小さくなり、類似度を正しく評価することが困難になるため、次元削減技術の適用などの対策が必要です。