IaC(Infrastructure as Code)とは、サーバーやネットワークなどのシステムインフラの構築・設定を、手動作業ではなくコードによって自動化する手法です。AIモデルの学習や大規模なデータ処理基盤を迅速かつ再現性高く構築するために、現代のクラウド開発において不可欠な技術となっています。
インフラストラクチャー・アズ・コードとは
一言でいうと、システムインフラの設定や構築をプログラム(コード)として記述し、自動で構築・管理できるようにする手法のことです。
詳しく解説
IaCは、従来は人間が手動で設定していたサーバーのOS、ネットワーク、ストレージなどのインフラ環境を、テキストファイル(コード)として定義します。このコードを専用のツールで実行することで、何度でも全く同じ環境を正確かつ迅速に再現できます。大規模言語モデル(LLM)の開発や膨大なデータの分散処理を行う際、GPUサーバーやクラウド環境をダイナミックに立ち上げる必要があるため、AI開発や運用基盤(MLOps)においてもIaCの重要性が非常に高まっています。手動構築によるヒューマンエラーを防ぎ、インフラの変更履歴をバージョン管理システムで追跡できる点が大きなメリットです。
具体例・使われ方
AIシステムの開発において、機械学習モデルの分散学習を行うための複数のGPUインスタンス、ストレージ、ネットワークセキュリティ設定をコード(設定ファイル)として記述します。Terraformなどのツールを用いてそのコードを実行することで、数分で複雑なクラウドインフラ全体を自動構築できます。また、開発環境、検証環境、本番環境を同一のコードから正確に複製することが可能です。
似た用語との違い
従来の手動によるインフラ構築や、物理的なハードウェアを手作業でキッティングする作業とは異なり、インフラの状態が完全にコードとして可視化・管理される点が異なります。また、アプリケーションのソースコード開発と混同されやすいですが、IaCはあくまでインフラストラクチャを構築・管理するためのコードであるという点で区別されます。
注意点
コードの記述ミスや不適切な設定が含まれている場合、一度の実行で本番環境の広範囲にわたって重大な障害を引き起こすリスクがあります。また、コードの管理やバージョン管理が不十分であると、実際のインフラの状態とコードの内容が乖離するドリフト現象が発生し、トラブルシューティングが複雑化する点に注意が必要です。