SRAM(Static Random Access Memory)は、電源が供給されている間はリフレッシュ動作なしでデータを保持できる超高速な半導体メモリです。プロセッサやGPUのキャッシュメモリ、AIアクセラレータの内蔵メモリとして広く使用されており、AI処理におけるデータ転送の遅延削減と低消費電力化に大きく貢献します。
SRAMとは
SRAM(Static Random Access Memory)とは、電源が供給されている間はデータを保持し続ける、極めて動作速度が速い半導体メモリのことです。
詳しく解説
SRAMはフリップフロップと呼ばれる論理回路を用いて1ビットの情報を保持します。リフレッシュ動作を必要とするDRAMと比べてアクセス速度が非常に高速であるため、プロセッサ内のキャッシュメモリや、GPUやAIアクセラレータなどの高度な演算装置における内蔵メモリとして広く利用されています。近年のディープラーニングモデルの巨大化に伴い、メモリアクセスの帯域幅や省電力性が課題となっていますが、SRAMはデータを演算部と同じチップ上に配置できるため、データ転送の遅延を大幅に削減できます。さらに、メモリ内部で演算を行うインメモリ・コンピューティング技術の基盤としても注目されています。
具体例・使われ方
CPUやGPUのL1・L2・L3キャッシュメモリとして搭載され、頻繁にアクセスされるデータを一時記憶します。また、エッジAI向け半導体において、外部メモリに依存せずモデルの推論を高速かつ低消費電力で行うための内蔵ストレージとしても活用されています。
似た用語との違い
DRAMとの最大の違いは、データ保持のためのリフレッシュ動作が不要である点とアクセス速度の速さです。DRAMはコンデンサに電荷を蓄えるため周期的な再充電が必要ですが、高密度化が可能で大容量化に向いています。一方、SRAMは構造が複雑で回路面積が大きくなるため大容量化やコスト面で劣りますが、速度が圧倒的に優れています。
注意点
SRAMは非常に高速ですが、物理的なセルサイズが大きいため、同一チップ上に搭載できる容量には制限があります。また、電源を切るとデータが消失する揮発性メモリであるため、長期的な記憶装置としては使用できません。最新の半導体微細化においては、製造コストの増加やリーク電流の発生による消費電力の増大が課題となっています。