ToFはTime-of-Flightの略で、光が対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間から距離を測定する技術です。AIの3D空間認識や自動運転、スマートフォンの顔認証などに幅広く活用されています。
ToFセンサーとは
一言でいうと、光の移動時間を利用して対象物までの距離を高精度に測る測距技術のことです。
詳しく解説
ToF技術は、光源から赤外線やレーザーなどの光を照射し、それが障害物や対象物に反射してセンサーに戻るまでの往復時間を計測することで、ミリメートル単位の距離を算出します。この測定データを平面ではなく2次元の画像と組み合わせることで、深度情報を持ったToFカメラとして機能します。AI分野においては、取得した高精度の深度マップをコンピュータビジョンが解析することで、物体の形状認識、ジェスチャー検出、リアルタイムな3D空間再構築などを効率的に行うことが可能になります。
具体例・使われ方
スマートフォンにおける顔認証システムやポートレートモードでの背景ぼかし処理、自動運転車やドローンの周辺障害物検知、ロボット工学における自律移動のためのSLAMマッピングなどに利用されています。
似た用語との違い
ステレオカメラが2つのカメラの視差を利用して距離を計算するのに対し、ToFは光の飛行時間という物理的な時間を直接計測するため、テクスチャのない壁面などでも距離を測定しやすいという特徴があります。また、LiDARと混同されることがありますが、LiDARは主に大規模なレーザー測距全般を指すことが多く、ToFはより広いセンサー技術の方式名として使われます。
注意点
太陽光などの強い外乱光がある屋外や、光を吸収しやすい黒色の物体、反射率の低い材質に対しては測定精度が低下する場合があります。また、マルチパス干渉と呼ばれる、光が複数回反射して戻ってくる現象によって距離の誤認識が生じることにも注意が必要です。