NANDフラッシュは、電源を切ってもデータが消えない非揮発性の半導体メモリです。高密度化と大容量化に優れ、SSDやスマートフォンの記憶媒体として広く普及しています。AI分野では、大規模言語モデルのデータ保持や学習・推論用データの保存領域として不可欠であり、エッジAIやAIサーバーのデータ処理基盤を支えています。
NANDフラッシュとは
NANDフラッシュは、電源を切ってもデータを保持できる非揮発性半導体メモリの一種です。大容量かつ低コストでデータを保存できるため、SSDやスマートフォンの記憶装置として幅広く採用されています。
詳しく解説
NANDフラッシュは、メモリセルを直列に接続した構造を持ち、基板上の限られた面積に大量のデータを高密度で記録できる特徴があります。近年では、セルを垂直方向に積層する3D NAND技術の発展により、さらなる大容量化が進んでいます。AI分野においては、テラバイト単位に及ぶ大量の学習データや、大規模言語モデルのパラメーターを永続的に保持するためのストレージとして極めて重要です。AIサーバーのデータロード時間の短縮や、オンデバイスAI機器でのモデル保持など、システム全体のデータ供給効率を左右するハードウェアとして機能しています。
具体例・使われ方
AIサーバーに搭載される高速なNVMe SSDや、車載端末・スマートフォンの内部ストレージに利用されています。例えば、自動運転車に搭載されたエッジAIが、保存された学習済みモデルを読み出して障害物検知などの推論を実行する際に機能します。
似た用語との違い
DRAMは超高速で動作しますが電源を切るとデータが消える揮発性メモリであり、AIの計算処理における一時的な作業領域として使用されます。これに対してNANDフラッシュは、DRAMより速度は遅いものの非揮発性で大容量データを安価に保存できます。また、NORフラッシュはコードのランダム読み出しが得意ですが、NANDフラッシュはデータの書き換えと集約的な大容量保存に適しています。
注意点
NANDフラッシュは、データの書き込みや消去を繰り返すことで物理的な素子が劣化し、書き換え回数に限界が存在します。大量のデータを頻繁に書き替える高負荷なAI処理を行う場合は、耐用年数やウェアレベリングなどの寿命制御に留意する必要があります。また、DRAMと比べて応答時間が長いため、超高速性が求められるプロセッサ直近の計算用メモリとしては使用できません。